不動産投資を行う上で、所有している物件で「長く稼げる」ということはとても重要です。
不動産投資というのは、短期間の投資ではなく、長期的に見て行うものです。
そこで、この長期的視点は大切になります。
今回の記事では、長く稼げる収益物件にはどのような特徴があるかを解説させていただきます。
◆今の時代、高入居率維持は至難の業
今の時代、高入居率の維持は至難の業だと言われています。
そこにはどのような理由があるか具体的に見てみましょう。
日本の住宅の空室率は、近年どんどん増えています。
現在の空室率は13%前後と言われています。
つまり、住宅の1割以上が空室の状態だと言えます。
ー日本の住宅|未来予想図
ここから一気に加速度的に空室率が増えていくと言われています。
このまま何も施作を加えなければ、2033年には27.3%まで空室率が上がるという試算が出ています。
あと10年で賃貸物件の4分の1以上が空室になるという事であり、空室率がそこまで増加するという緊迫した状況す。
それではなぜ、ここから一気に空室率が上がるのでしょうか。
それは、
・今までは人口は減少していても世帯数は全国的に増えていた時代だった
・しかしながら、これからは、人口減少と共に世帯数も減っていくという試算が出ている
という事が理由になります。
ー賃料の維持も至難の業
日本の家賃の賃料下落率は、全国平均で年間約1%と言われています。
つまり、新築の時に賃料設定していても、20年経てば20〜25%下落してしまいます。
30年経てば30〜35%の下落です。
日本の賃貸物件の事情では、賃料を下げずに物件の価値を維持することはとても難しいと考えられます。
ーコスト抑制も難しい
最近、インフレの影響で物価高になっています。
日用品ももちろんのこと、賃貸管理では、部材や資材の生産コストが上がり、単価も急激に上がっています。
そこで、物件を維持するための、経費としてのコストを抑えることはとても難しいと考えられ始めています。
◆長く稼げる物件の特徴
ー長く稼げる物件づくり
ここまでで、これから空室率がどんどん増加する時代がやってくるという事を解説させていただきました。
そこで、不動産オーナーは、今後「長く稼げる物件」を保持していく必要があります。
では、どのようにしたら長く稼げる物件づくりができるのでしょうか。
長く稼げる物件づくりには、
「いかに家賃を下げずにいられるか」
「入居率を維持できるか」
という課題に視点を向けることが重要になります。
ー入居者に選ばれる物件像
長く稼げる物件を作るために、大切なことは、入居者の方に「選んでいただける物件」であることです。
入居者に選んでいただけるためには、周辺物件との差別化が必要です。
入居者が物件を選ぶ時に見ている主だったポイントは以下の部分です。
・外観や共用部:物件の外観や共用部の見た目が整っているか、望んでいるグレードか
・内装や設備:内装のデザインが好みのものか、希望する設備や最新の設備が充実しているか
・住環境:交通事情は便利か、環境や雰囲気が暮らしやすいかという住環境か
上記の点において、差別化できれば、所有物件は入居者に選ばれる物件となっていくと言えます。
ー周辺物件との差別化が重要
では、どのような対策をすると、「周辺物件との差別化」ができるのでしょう。
入居希望者に選ばれる物件となるための「周辺物件との差別化」を図るためには、実はさまざまな対策があります。
「周辺物件との差別化」を生み出すためには、実は様々な可能性があることを知る必要があります。
ー差別化のステップ
「周辺物件との差別化」を行うためには「対策」と「ステップ」があります。
それでは、その「ステップ」について見てみましょう。
上記に挙げた、入居者が物件を選ぶポイントのうち、外観や共用部、内装や設備に関しては、対策に臨み、コントロールすることができる部分です。
まずはこの部分において、しっかり対策を講じることができれば、近隣にある物件と差別化することができます。
差別化の対策をするためのステップについて解説していきます。
入居者に選ばれる物件になるため、差別化するための3つのステップがあります。
ステップ①入居者に求められる設備を備える
・テレビモニター付きインターホン
・インターネット無料
・バストイレ別
・追い焚き機能
・和室→洋室へ
・エアコン
など、最低限必要な人気の設備をそろえます。
実用的な設備を導入することで、ベースを整え明らかな差別化を図ります。
ステップ②機能性を向上させる
・収納の充実
・セキュリティ面の配慮
などをアップして、物件の「機能性」を向上させます。
「機能性」が向上すれば、入居者の「住み心地」が向上します。
そこで、入居希望者や入居者は、この「住み心地」を重視して、物件を選びます。
ステップ③デザイン性を向上させる
さらに、プラスアルファとして、コンセプトやデザインで差別化していきます。
・コンセプト(例:心身を癒すお部屋、など)
・ターゲティング(例:独身男性、一人暮らしなど)
・デザイン(色のバリエーション、ナチュラル、ホテルライクなどライフスタイルを意識したデザイン)
・中途半端なリノベーションではなく、トータルデザインでデザイン性を上げる
などが、大切なポイントです。
差別化できた物件では、入居希望者は「この部屋がいい」という選択ができ、物件へのファンづくりにつながります。
そのことで、家賃を下げないお部屋づくりができます。